チェンソーの吹けが悪い(キャブレター内部の汚れ)
共立のエンジンチェンソーCS3411Gという機種です。
建設業者様、解体業者様等の現場で活躍している機種です。

高速時の吹けが悪いとの事で修理のご依頼を頂きました。確かにアクセルをオンにした瞬間エンジンがストップしてしまいます。
まずはエアフィルターの点検から。凄い汚れです。コンプレッサーで清掃した箇所と未清掃の箇所の違いが一目瞭然です。こういうフィルターの清掃にはコンプレッサーが無いと難しいですね。

エアーフィルターの詰まりはエンジン出力ダウンにつながりますので、小まめな清掃が望ましいです。
清掃してエンジンを掛けましたが、症状は変わらず。次の点検へ。
次は、燃料フィルターと燃料ホースの点検です。
目視では汚れていますが、詰まってはいませんでした。これもコンプレッサーで中からエアーを吹き掃除します。

燃料ホースも大丈夫そうです。
となると、やはりキャブレターのオーバーホールが必要そうです。
この機種は、キャブレターの取り外しがとても楽でした。
メーカーが異なればもちろんですが、機種が違うと、キャブレターの取り外しさえ大変な場合が多いです。

キャブレターを取り外ずして、分解します。
メタリングダイヤフラム、ポンプダイヤフラム等のパーツは大丈夫でした。
内部の汚れも目視では大丈夫そうです。

キャブレターコンディショナーをキャブレター内部の穴という穴に吹き付けて洗浄を行います。
すると、Hと書いて有る、高速スクリューが刺さっている穴の中が汚れていたのがハッキリわかりました。(※注意:低速スクリューと高速スクリューの取り外しと調整は知識がある方のみ行って下さい!調整を間違えるとエンジンの故障に繋がる事さえ在ります。)

写真では分かり難いですが、キャブコンを吹き付けた瞬間、内部から茶色の汚れがブワッと吹き出てきました。高速ノズルが目詰まりしていた模様です。ですので、アクセルをOnにした瞬間に燃料の供給が追い付かずにエンジン停止していたんですね。
キャブコンで念入りに清掃し、コンプレッサーのエアーを吹き付け汚れを吹き飛ばします。その後組立てると、気持ちよく吹きあがりました!(H、Lスクリューの調整に手こずりましたが)
最近、この症状(Hノズルの詰まり)が散見されます。
キャブレター内部が汚れる原因としては、 燃料が古い、燃料タンク内が汚れている、燃料フィルターが汚れている、エアーフィルターが汚れている、等が考えられると思います。
何故Hノズル部だけに汚れが溜まってしまうのか?私には「正確な」メカニズムを「正しく 」 説明する事はまだ出来ません。高速の方が長時間使われる、高速側の方が燃料の供給量が多い等も考えられると思います。
長い期間使っていればある程度は仕方が無い事なのかも知れません。
この様に、キャブレター内部のちょっとしたトラブルで、全体の調子を悪くしてしまいます。このちょっとしたトラブルを予防する方法としては、日ごろの清掃・メンテナンスが大変重要です。
たまには、取扱説明書を読み返し(取説をダウンロード出来るメーカーさんが多いです)ポイントを復習して点検や清掃をされる事をお勧めします。読んだ事が無い方が多いと思いますが、取扱説明書には為になる事がたくさん記載されていますよ!
もちろん弊社にご来店頂ければ、清掃のポイントは無料でアドバイス致します!弊社でご購入頂いた商品であれば弊社のコンプレッサーを自由に使っていただいてもかまいません(^^♪ 機体を綺麗にしてあげれば、やはり長持ちします。