チェンソー

スチールチェンソー MS500i 研修受講

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スチール社のインジェクションチェンソー MS500iの講習を受けに久留米迄。

通常のエンジン式チェンソーには、キャブレターという混合気をエンジンへ届ける装置が必要でしたが、このキャブ方式ではなく、燃料噴射式の機構を搭載したインジェクションチェンソーが、スチール社から二年近く前に発売されております。

79ccといいう大きな排気量のモデルですが、市場から高評価を受けております。
主な理由は「パワー(出力)、加速性、軽さ、トラブルの少なさ」

なんと、このチェンソーを販売するためには、基本的には、診断機の所持と研修の受講が必要条件となっております。こういう理由から弊社では販売できなかったのですが、診断機を購入し、今回研修も受講したので、販売が可能になる、ハズです。まぁ現在メーカー在庫無しですのでご注文頂いても、お届け出来ないのですが。

コロナの影響で、ほとんどの講習会が無くなっておりましたが、ようやく開催されることになり、早速受講してきました。

MS 500iの機体のすばらしさを実感するとともに、久々にメーカーの技術サービス部門のエンジニアのお話を聞けたり、普段のちょっとした疑問を投げかけたら、予想外に深い話が聞けたりと、期待値以上の収穫を得て帰路に着きました。

MS 500 i は非常に興味深く素晴らしいチェンソーです。
また機会が有ればその辺のことも書いてみたいと思います。

マキタ MDE331修理

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マキタさんのエンジンチェンソーMDE331という機種です。
近所にお住まいのお客様の持ち込み品です。
始動性が悪く全体的に調子も良くないとの事でした。

たしかに調子悪いです。燃料系統だと思いキャブレターを分解してみると、メタリングダイヤフラムの劣化が著しい状態でした。キャブレターの洗浄後に新品のダイヤフラムを取り付け組たてました。

するとエンジンは掛かり高速域は気持ちよく吹け上がる様になりました。が、スロー(アクセルオフのアイドリング状態)の調整がうまく行きません。

アクセルオフでも回転数が高くなったりと不安定。低速ノズルをどっちにまわしても反応がいまいち。

燃料ホース、フューエルフィルター類を交換したりと燃料系統を洗いなおしても変わらず。

こうなるとエンジン本体に原因が有る様です。まず疑うのがクラッチ側のエア漏れ。それも大丈夫。

エンジンを分解しようとしたところで明らかな異常がわかりました。本来しっかり固定されいてるハズのシリンダー部とクランク部にぐらつきが見られました。大きい機体の商品なら分かりやすいのですが、このようなトップハンドルのコンパクトなタイプはエンジン部が覆われていて外見から分かり難いです。

エンジンを取り出してシリンダーを固定しているネジを確認すると4本ともかなり緩んでいました。なんとこのネジ、プラスネジなんです。現行の商品は殆どがトルクスか六角のネジでしっかりと締め付けれています。

クランク室を固定しているボルトも同様に緩んでいました。
この付近からの不要な空気がエンジン内に流入していた事がスロー調整が効かない原因だったようです。もちろん全般に影響を及ぼしています。

このネジをトルクス等のネジを流用してしっかり締め付け(ガスケット類は新調)ればおそらく暫くの間は動くとは思いますが、工賃はそれなりに掛かりますし、何年持つかも若干不安です。

家が近くなのでお電話してご来店頂き現状をご説明。修理よりも買い替えをお勧めしました。(本体の価値に対して修理工賃が見合わないという理由から)お客様は直ぐにご納得され新品のMS170をご購入されました。(新品をお買い上げいただいたので工賃は頂きません。。診断・分解にそれなりに時間は掛かっていますが)

MS170ですと2万円+税で購入可能です。「安い」けれど断然仕事能率は上がると思います。
チェンソーは、清掃・目立て(刃の研磨)・チェン交換・修理等メンテナンスが欠かせない道具です。

今後とも長いお付き合いを宜しくお願い致します。

チェンソーアート入門

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チェンソーアートをやってらっしゃるお客様にお願いして、私も始めて見る事にしました。

アートと呼べる代物では在りませんが、雰囲気だけでも出せた気がします。
修理は日常的に行っておりますが、切断は玉切り程度の作業しか行いませんので、良い勉強になります。

実際にやるにあたりYoutubeで適当な動画を漁ってイメージトレーニングはしておりましたが、実際にやってみると、あんな風にサクサク綺麗に造形出来ません。チェンソーワーク難しいし疲れる。。

切断技術、チェンソーの知識、目立て技術、創造力、色々な勉強が必要そうです。もちろん商売をする上での知識が広がりますので、やって損は無し。満足できるレベルの作品を作れるよう試行錯誤しながら楽しみたいと思います。

ただチェンソーアート、始めるのにはちょっと敷居が高いですね。
チェンソー数台必要、木材の準備、近所迷惑にならない場所、目立て技術、チェーンやバー・混合燃料・チェンオイル・メンテナンス費用などランニングコストも意外と。とりあえずカービング用のチェンソーをどうするか悩み中です。

今後も経過を紹介したいと思います。

2ストにガソリン(エンジン焼き付き)

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チェンソーにガソリンを入れて動かした為にエンジンの焼き付きを起こしてしまった機体のピストンです。当然、シリンダー部も損傷しております。

2サイクルエンジンはガソリンを入れても始動してしまうが故に、気が付くのは困難です。おそらくエンジン周りは普段と比べ物にならないくらい高温になると思われますが、気が付いた時には焼き付きを起こしている状態でしょう。エンジン内部の潤滑を行ってくれる混合燃料の重要性が分かります。

年に数回はこういったお客様がご来店されます。くれぐれも良い混合燃料を使ってあげて下さい。

この機体の場合はピストンKIT/シリンダー/ガスケットと骨組みのエンジンカバーの交換も必要でした。※もっとひどい場合はクランク部も交換が必要になります。

新品と損傷したピストンの比較画像です。

今回の機体は、共立さんの小型軽量タイプ。小型化するにあたり色々複雑に工夫して設計してあるので分解するのにもなかなか骨が折れます。(数をこなせばそうでも無いかも)

ほぼ全バラ。組立て時にもパーツリストをしっかり見ながら慎重に組み上げました。エンジンがかかった瞬間は嬉しいものです。下の写真をパット見ると部品点数が多い気もするけれど、たったこれだけの構成でよくもあんなに正確に動きますよね、エンジンって(笑)
勉強してもしてもなんだか不思議な気持ちになります。

これだけの作業、工賃もそれなりになりますので新品購入もお勧めしましたが、ご要望により修理となりました。

アフターサービスも含め頑張って対応させて頂きます。

チェンソーの汚れ

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土木関係のお客様からお預かりする機体はかなり汚れている場合が有ります。
ハードに使用してノーメンテ。

木屑と油分が混じって酷い事になっております。
エアーフィルター部の汚れも相当です。
これでも別に問題無く動くから凄いですよね(汗)

エアーフィルターとスタータ部

下の写真は反対側。ガードバーとチェーンを取り付ける方。ここは掃除してもすぐに木屑だらけになりますが、毎回は難しくても時には清掃をしましょう。
特にエンジンフィン回りや、チェンオイル吐出部等。

この機体はかなり酷い状態でしたが、エアーコンプレッサーが有れば、ものの数分で下の様に綺麗になります。

チェーンソー整備にコンプレッサーは必需品だと感じます。

綺麗になりましたが当然掃除した後の汚れカスは大量です。。
私も木屑まみれ。

清掃が機械寿命を延ばす第一歩。
たまにはスターター部とガイドバー部を開けてチェックしてあげて下さい。

チェンソーを使う時に癖を付けて欲しい事

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チェンソーを扱う日の最初に確認して欲しい事を動画に纏めました。

慣れてくるに従い怠ってしまう安全確認。

ほんのちょっとした確認だけでも、チェンソーを扱う上での安全度は全然違ってくると思います。チェンソーを扱う時に癖を付けて頂くと良いと思います。

今回の動画にまとめたのは以下の項目です。

・目視点検(外観と操作系)
・チェーンの張り確認
・チェーンブレーキ
・アイドリング点検
・チェンオイルの吐出点検

初心者さん向けに短めに纏めました。
本来はここに 「 目立て」も入るべきですが、目立てはとても一言では語れませんので除外しました。定期点検・日常点検も別動画で作成したいと思います。

繰り返しですが、慣れが一番怖い!

チェンソーを扱う時は安全点検を行う様にしましょう。( 自分への戒めも込めて )

サイクルピクニック

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ブリット佐賀(サイクリングショップ) さんのサイクリングイベントに小野農機も参加させて頂きました。 「 バッテリーチェンソー体験」というコーナーを設置。

普段接する事が無いタイプのお客様との会話は新鮮で勉強になる事も多く、外に出る事の重要性を感じました。

このイベントに参加するにあたり必要な物を考えて新たに制作(ハード面)をする過程も楽しめました。が 「 集客」という事へのアプローチにおいてあまりにもアイデア不足な自分に気が付きます。

まあ一発でお客様を集められる様な甘いお話は無いと思うので、新しい要素を入れながら回を重ねて行くのも良いかも知れません。

今回のイベントに誘って頂いたブリットの野口さんありがとうございました。
またお庭のスペースを快く提供して下さった多久市のスローカフェさんはとても暖かく素敵なお店でした。人気なのが分かります。

色々とチャレンジしなくては!

【ブリット佐賀】
https://csbullitt.com/

【スローカフェ】
https://www.facebook.com/slowcafe

チェーンブレーキの解説

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チェーンソーのチェーンが動かなくなった!という症状でご来店頂く事が稀に有ります。原因はチェーンブレーキが作動していただけだったという事が殆どです。

普段からチェーンブレーキを使わない、そもそもチェーンブレーキという物自体を知らないという方も多い様に思います。

チェーンブレーキの解説を動画にしてみました。

キックバックで作動する点は動画に含めていませんが、チェーンブレーキの仕組みも簡単に説明しています。

バッテリーチェンソー体験会

投稿日:

12月1日(日)曜日に、サイクリングショップ「ブリット」さん主催のサイクリングイベントが開催されます。11時~15時。

多久市の里山を巡る自転車ツーリングやMTBでの未舗装路走行という魅力的なイベントです。会場は多久市のスローカフェさん。大変人気なカフェですが、お庭も魅力で、このスペースをお借りして無料のワークショップを開催します。

この中に我が社も参加させて頂く事になりました。

バッテリー製品を手に取って試して頂けるスペースを設けさせて頂きます!お庭のお手入れに大変便利なアイテムを実際に使って実感して頂きたいと思います。

ワークショップは、キッズバイク体験・ロープワーク教室・スラクライン体験も同時開催。カフェの合間に気軽にご家族で楽しめるイベントを目指しています。

ご来場お待ちしております!

案内動画作りました↓

【ブリットさんのWeb】 https://csbullitt.com/

【スローカフェさん】  https://www.facebook.com/slowcafe
 846-0031 佐賀県多久市多久町3795-1

チェンソー、始動するが回転上がらず。インレットスクリーン(キャブ内部)の汚れ

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我家から隣の市にある材木店様からのご依頼です。
新ダイワのE1145S。

症状:チョークを引けばエンジンは始動し少しふけ上がるが、チョークを戻すとエンジンが停止。
お客様は取扱説明書を見ながらHスクリュー、Lスクリューを微調整して見たが全く症状が改善されない、とおっしゃっていました。

マニュアルをちゃんと読まれているお客様とは話が早くて助かります。

この機種の取説には、全締め状態から1回と1/4戻しと記載されていました。
プロ機にはNeedleの調整の仕方も記載されている事が多いですが、慣れない方はむやみに調整されない方が良いでしょう。

チョークをした時だけ少しふけ上がる、という事は燃料の供給が正常ではない事が一番考えられます。

燃料フィルター→燃料ホース→キャブレターと診断をしていくと、 エアーフィルター付近は綺麗に清掃されていましたが、キャブの裏側にはかなりの木屑が溜まっていました。

キャブを分解すると、メタリングダイヤフラムの裏側にも汚れが。

分解を進めると、ポンプ室側に取り付けられている 「 インレットスクリーン」という、フィルターが真っ黒になっていました。
こんなに真っ黒な状態なスクリーンはあまり見ません。酷い状態です。

燃料が通る順序は
燃料タンク→燃料フィルター→燃料ホース→キャブのポンプ室→キャブのメタリング室→キャブのベンチュリー部→エンジン内部
というのが、大まか流れです。

キャブレター内部は大変複雑で、色々な穴が設けれており、どこかが塞がると当然、不調になります。

おそらく今回は、このインレットスクリーンが燃料の通行を阻害していたのだと思われます。インレットスクリーンが無ければ、汚れが大事な部分へ通過してしまっていたという事なので、大事な役割を果たしていると言えます。

キャブレターを分解洗浄し、インレットスクリーンとメタリングダイヤフラム+ガスケットを交換させて頂きました。
※インレットスクリーンはキャブコンディショナーやコンプレッサー等で清掃して再利用しても構いませんが、汚れが酷いので今回は交換です。

組み上げ調整すると快調に動く様になってくれました。
この機種はシンプルでメンテナンスがしやすい機構ですが、エアーフィルターの形状にやや難があるのかなと感じました。
その他に問題は無いので、これでメンテナンス完了です。

キャブレターの内部構造図をWalbroさんのWebページから拝借し主要なパーツを右側に記入しました。キャブ内部はこの様に複雑です。

Walbro社のWebページで公開されております。興味が有る方はこちらからどうぞ→Walbro社サービスマニュアル

上の図の5番が今回ボトルネックだったインレットスクリーンが有る場所です。
キャブの分解は、熟練の方に教えてもらいながら一度やってみた方が良いかと思いますが、最近は技術情報や良い動画が沢山公開されているので、敷居が下がって来ましたね。