ハスクバーナ353を346XPのピストンシリンダへ
生産中止になってしまいましたハスクバーナの346XP(50ccクラスのプロ機)ですが いまだに好まれる林業従事者の方は多いです。金額はかかっても良いから 状態の良い中古品は無いのか? というお問い合わせを頂く事が 時折あります。
状態が良い中古品は皆さんが探し回ってらっしゃっていて なかなか見つかりません。
そこでご提案させて頂くのが 353という機体です。カタログではロバストソーというカテゴリに分類されており プロ機の廉価版として 価格を抑えて発売されております。

この353と346XPの違いは ほぼ ピストンシリンダーの違いといって良いです。※クラッチカバーの色とスタータロープの一部に部品番号の違いが有ると思いますが その他の主要部品の部品番号は全て同じです。
つまり 353のピストンシリンダーを346XP用に換装すればほぼ346 XPです。
先日も353のシリンダーピストンを346XP用に換装した機体を納めさせて頂きました。
すると そのお客様から 現場で使ったら良かったので もう一台欲しいとのご依頼が。
基本的に353が10万程、346XPのピストンシリンダーKITが定価で5万程します。これに工賃を頂きますのでそれなりの金額になってしまいます。(この金額から割引はさせて頂きますが全部で15近くにはなります)
そこで私の方から サブ機としてなら 353 をオリジナルのまま使ってみませんか?というご提案をしました。353 と 346XP にそこまで違いが有るのか 木を切るプロの声を聞いて見たかった事も有ります。
353の方が排気量は1ccほど大きいのでパワー的にはどうなんだろう?という興味も有りました。
結果 353を納品させて頂いた2日後に『金は掛かっても良いから346XP用のピストンシリンダーにかえてくれ!』というお電話が。玉切りしているくらいならあまり分からないが 伐倒してみるとやはり違うと。吹け上がり方や最後の伸び等も比べると違うと。

ピストンの形状は353の直径がわずかに大きい程度で同じです。(写真上、左が346XP / 右が353)
違いはシリンダーの形状にあります。

左が 346XP用 / 右が 353用 のシリンダーです。掃気ポートの作り方が違います。

プロ機の346XPのシリンダーは一体成型型ですが 353は掃気ポートをパーツで塞いで有ります。クランク室から燃焼室へ混合気体を送る通路が違うだけでこんなにも エンジンのレスポンスや 高回転の伸びが違うんでんすね。
掃気ポートの形状の工夫で 燃焼効率も変わってくるのだと思います。
良い勉強になりました。
353を346XPに交換してくれるお店は探せば有るとは思います。
ただ 各販売店により 価格はけっこう違ってくると思います。私の店は決して安いとは言えないかも。ただ責任を持ってアフターサービス含め頑張らせて頂きます。