草刈機のパワー不足(エンジン内部の傷)

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背負い式の草刈機も修理のご依頼を多数頂きます。

お客様は「回転数が安定しない/アクセルオフにするとエンジンが停止する」と言う事をおっしゃっていました。

始動させてみます。リコイルスターターを引っ張った感じで手応えが弱いと感じましたが、エンジンは掛かりました。が、高回転域も弱いですし、低回転にするとストンとエンジンが停止してしまいます。

プラグ→エアーフィルター→燃料フィルター→燃料ホースをチェックしましたが異常が無かったのでマフラーを取り外して見ました。マフラー自体や排気口は問題が有る程カーボン付着はありませんでした。排気口からピストンを見ると、排気側(マフラーが付いている方)に目立った傷は確認できませんでしたが、ピストンを下死点に動かすと、吸気側(キャブレターが付いている方)のシリンダー内部に傷が見えました。

シリンダーを取り外し内部のチェックをする事にしました。

ビス4本を外し(六角レンチを一本折ってしまう程一本固結していました涙)シリンダー取り外します。

エンジン焼き付き-1

シリンダを取り外すと下の様にピストンが剥き出しになります。下の写真はピストンの排気側を映しています。黒く変色はしていますが、目立った傷は入って居ません。エンジン焼き付き-2.jpg

逆の吸気側を見ると、写真の様に縦の傷が無数に入っています。手で触るとボコボコした感じも分かります。

エンジン焼き付き-3

シリンダー内部も吸気側と排気側では違いがはっきり分かります。
写真左の吸気側は傷だらけです。

エンジン焼き付き-4

おそらくエンジンの焼き付きというよりはエアーフィルターが付いていない状態で暫く使った為に、キャブレター側から異物が混入してしまった結果では無いかな、と思います。

運ばれて来る古い機械にはエアーフィルターが付いていなかったり、フィルターがボロボロに崩れていたりする事も珍しくありません。エアーフィルターはとても大切ですので定期的に確認・清掃をお願いします。

ここ迄傷が酷いと、ピストンとシリンダーの交換が必要になります。
この機種のピストンKITが約5,000-、シリンダーが約10,000-と部品代だけで15,000-も掛かってしまいます。工賃を含めたお見積りを打診し、「そろそろ買い替え時期だと思います」との私見をお伝えした所、KIORITZのRME2630をご購入頂きました。快くご購入頂きありがとうございました。

エンジンの焼き付きでも同じような傷が入ってしまいます。
エンジンの空冷が機能するようにエンジン回りを清掃する、メーカー推奨の2サイクル用エンジンオイルを使用する、空ぶかしを長時間しない、長時間の連続使用後は暫くアイドリング状態にし温度を下げてからエンジンを停止する、等に気を付けていただければ焼き付きが発生する可能性はグンと下がると思います。

ご購入後に取扱説明書を熟読される方は少ないと思うのですが、大事な事がたくさん書いて有ることに気が付きます。安全と機械寿命を延ばす為の知識を持って使用しましょう。

※本来は機械を購入頂く際に販売店がしっかり説明する必要があるのですが、なかなか聞いて頂けなかったり、一度の説明では理解いただけ無い事が殆どです。。

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