チェンオイルの供給不具合

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KIORITZのチェンソーの刃の目立て(研磨)とチェンの張り調整のご依頼を頂きました。刃はだいぶん摩耗しておりチェンもユルユルでした。目立てを終え、試し切りをさせて頂こうとエンジンを始動、チェンからオイルが出るか確認してみると、あれっ出ない。

正常な状態なら、エンジンを回転させれば下の写真の様にチェンオイルが吐出された事が分かります。やや見えにくいですが、バーの下の紙が濡れている事が分かるかと思います。切る木材の上で良いので、作業をする一番最初にはチェンオイルのタンクの量と共に、刃の先からオイルが出ているか確認をお願いします。

オートオイラー6

刃へオイルが供給されない状態で作業を行いますと、チェンとバーの潤滑が出来ていない状態ですので、摩擦が大きくなり刃とバーが焼き付きを起こしてしまいます。この機体に付いていた刃もかなり傷んでおりました。かなり無理をして作業をされていた事と思います。

さて、修理です。何処がネックになっているのか調べます。先ずはチェンオイルのタンク内の汚れやフィルターの目詰まりを見ます。大丈夫そうです。となると、チェンオイルのポンプ回りを見る必要が有ります。クラッチとスプロケットの裏側にポンプはついおりますので、バーとチェンを外し、クラッチとスプロケット(下の写真のバネが3個付いた円状の物が遠心クラッチ)も取り外します。(クラッチは基本逆ネジです。また専用工具が無いと取り外し困難です。)

オートオイラー2

クラッチとスプロケットを取り外した後が下の写真です。タンクからのホース・オイルポンプ・オイルを吐出するホースが完全に見えるようになりました。青丸⇒赤丸⇒黄丸という順にオイルは流れて行きますので、これの何処かで不具合を起こしている事になります。

オートオイラー7
チェンオイルの供給経路

青丸と黄丸のホースが破れていたり、ゴミ(木屑など)が詰まっていてオイルの供給を阻んでいる事も有りますが今回は大丈夫でした。

オイルポンプには下の写真のウォームギアという部品が取り付けられています。エンジンを回転させると、スプロケットと一緒にこのウォームギアも回ります。ウォームギアは写真の通り綺麗で問題有りません。となると残すはオイルポンプ本体です。

オートオイラー5

ウォームギアがオイルポンプのギア(下の写真)を回転させる事でオイルが供給されます。オイルポンプのギアを手で回すとオイルは出てきました。ポンプ本体は大丈夫そうです。

オートオイラー4

じゃぁ何処がネックなのだ?と首を傾げなが再度チェックすると、オイルポンプのギアの一部が摩耗しておりました。下の写真の部分です。全体では無く、一部だけがすり減っていたので直ぐに気が付きませんでした。

オートオイラー3

この機種のウォームギアは金属で出来ていて、オイルポンプ側はゴム製でした。機種によってはウォームギアもゴムやプラスチック素材で出来ていて、ウォームギア側が劣化する事も良く有ります。

オイルポンプ側のギアがすり減っていたせいでポンプが動作しなかった様です。原因が特定できましたので、お客様に報告し、オイルポンプを注文させて頂きました。(ポンプの部品代が3、600円。別途送料、+工賃を頂きます。)

新品のオイルポンプをセットし、ウォームギア・スプロケット・クラッチを取り付けてエンジンを起こしますと、正常にオイルが出てきました。

オートオイラー1

ピントが合わずぼけていますが、オイルがだらだら出てきていますね。

ここから出たチェンオイルがチェンへと伝わり、バーとの摩擦を減らしてくれるお蔭で、カッティング作業が円滑に行われます。

オイル切れや不具合によりチェンオイルが供給されないまま作業をしますと、チェンの損傷、バーの損傷、スプロケットの摩耗へと繋がります。また負荷が増大する事によりエンジンへの負担増(引いてはエンジンの焼き付き)という事態も起こす可能性も有ります。切断前にはエンジンを回転させ、チェンからオイルが出ているか確認する癖を付けましょう。

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