チェンソーのスプロケット交換
エンジンの調子は良いが、実際に作業しようとするとチェーンの動作がおかしい、切断する力が弱い、という症状で運ばれてきました。
診断するとスプロケットが酷く消耗している事がすぐわかりました。
スプロケットとはエンジンの回転をソーチェンへ伝える役割を持つ重要なパーツです。
下の写真の遠心クラッチの裏側に取りつけられており、歯車の様なイメージでソーチェンを回転させます。
この機械から取り外したスプロケットが写真下の(右)です。取り寄せた新品(左)と比較すると劣化具合が良く分かるかと思います。ソーチェンのドライブリングが当たる箇所が酷く摩耗・劣化しています。
私はここまで深くえぐられた(赤丸部)スプロケットは初めて見ました。これではいくらエンジンがしっかりと仕事をしてもチェンを力強く回す事は出来ませんよね。
ソーチェンに次いで負荷がかかる場所だと良く分かります。スプロケットもソーチェンと同様に正しく使っていても徐々に摩耗しますので、消耗品と割り切ってある程度の期間で交換する必要が有ります。※チェンの張りが緩すぎると、スプロケットの摩耗が加速します。適切なチェンの張りも大事です。
一般的な目安としては、ソーチェンを2本交換する毎に、スプロケットも交換する事が望ましいそうです。
このタイプのスプロケットで有れば、目視で確認可能ですので、すり減っているようで有れば交換なり点検をお勧めします。すり減ったスプロケットを使用しているとチェンとガイドバーも急速に摩耗してしまいます。
スプロケットを単体で注文すれば4千円前後です。ご自分で交換も可能ですが、特殊工具が無いと苦労する箇所や、取り付けの際には適切なトルク量で締め付けた方が良いので、別途工賃は掛かりますが、専門店に頼む方が無難かと思います。