営業日誌

草刈機の不調(燃料タンクに水)

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熱さが増してきましたね。草刈りに精を出していらっしゃる方も多いと思います。大変お疲れ様です。

今回ご紹介する症状は草刈機の突然の不調です。
こんな感じの症状です。

普通に調子良く草刈り作業→暫くするとエンジン停止→プライマリーポンプを押して再始動を試みても始動しない→暫くほっておくと始動した→数分間作業可能→またエンジン停止

という感じでした。機種はスチールのFS26Cというタイプです。

色々と理由は考えられますが、エンジンが動いている時の感じからすると機体自体に大きな問題が有るとは考えにくいので、燃料をチェックしました。

タンクの中を容器に全部取り出してみると異物が。

液体の中に溜まっていもの、水です。タンク内に水が溜まっていたのが不調の原因でした。ピックアップボディー(燃料フィルター)の汚れも酷いです。

たまたま混合燃料を吸い上げた時は調子よく動いて、水(異物)が燃料ホースに入った時はエンジンが動かない。当然の話でした。

燃料タンク内をしっかりすすいで、燃料フィルターを交換する事で症状改善。
念の為にキャブも分解して中を確認しましたが、内部は汚れていませんでした。

何故タンク内に水が入ったのか。おそらく雨天時に草刈り作業を行い、その時に給油されたのではないかと思います。

長年使っている燃料携行缶の中にも水が溜まっていて、それを給油してしまった可能性も有りますね。

燃料系統のトラブルには色々あります。
燃料劣化が原因の時もあれば、今回の様に水が溜まっている場合も有ります。

タンク内の確認・清掃もたまにはやってあげてください。


田植えのお手伝い(蕨野の棚田)

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お世話になっているお客様から急遽田植えのヘルプのご依頼が。
機械の整備に携わってはいれども実作業はド素人。私なんぞがお役にたてるのか心配もありつつ、お引き受けして本日頑張ってきました。

午前中は苗の運搬作業、午後から田植機を使った田植作業と補植(さし苗、お客様は”うえつぎ”とも)作業。

この機械は平成元年に弊社から買って頂いた2条植えのかわいい年代物です。
昨年の丁度この時期に出張修理に来た時に、田植の風景が気に入ったのでYoutubeにアップしておりました。

まさか自分がこの機械で実作業を行う事になるとは。
操作方法は分かっては居ますが、実際に田んぼに入って作業するとなかなか大変ですね。

コメ作りを実現場で体験し、コメ作りの現状を色々と教えて頂け大変有意義な時間でした。体の調子を崩されている為の急遽のヘルプ、半人前な仕事量しかこなせていないと思いますが、大変喜んで頂けました。

日差しは多少強かったものの、冷たい良い風が吹き心地良かったです。
蕨野の棚田、大好きです。

マキタ MDE331修理

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マキタさんのエンジンチェンソーMDE331という機種です。
近所にお住まいのお客様の持ち込み品です。
始動性が悪く全体的に調子も良くないとの事でした。

たしかに調子悪いです。燃料系統だと思いキャブレターを分解してみると、メタリングダイヤフラムの劣化が著しい状態でした。キャブレターの洗浄後に新品のダイヤフラムを取り付け組たてました。

するとエンジンは掛かり高速域は気持ちよく吹け上がる様になりました。が、スロー(アクセルオフのアイドリング状態)の調整がうまく行きません。

アクセルオフでも回転数が高くなったりと不安定。低速ノズルをどっちにまわしても反応がいまいち。

燃料ホース、フューエルフィルター類を交換したりと燃料系統を洗いなおしても変わらず。

こうなるとエンジン本体に原因が有る様です。まず疑うのがクラッチ側のエア漏れ。それも大丈夫。

エンジンを分解しようとしたところで明らかな異常がわかりました。本来しっかり固定されいてるハズのシリンダー部とクランク部にぐらつきが見られました。大きい機体の商品なら分かりやすいのですが、このようなトップハンドルのコンパクトなタイプはエンジン部が覆われていて外見から分かり難いです。

エンジンを取り出してシリンダーを固定しているネジを確認すると4本ともかなり緩んでいました。なんとこのネジ、プラスネジなんです。現行の商品は殆どがトルクスか六角のネジでしっかりと締め付けれています。

クランク室を固定しているボルトも同様に緩んでいました。
この付近からの不要な空気がエンジン内に流入していた事がスロー調整が効かない原因だったようです。もちろん全般に影響を及ぼしています。

このネジをトルクス等のネジを流用してしっかり締め付け(ガスケット類は新調)ればおそらく暫くの間は動くとは思いますが、工賃はそれなりに掛かりますし、何年持つかも若干不安です。

家が近くなのでお電話してご来店頂き現状をご説明。修理よりも買い替えをお勧めしました。(本体の価値に対して修理工賃が見合わないという理由から)お客様は直ぐにご納得され新品のMS170をご購入されました。(新品をお買い上げいただいたので工賃は頂きません。。診断・分解にそれなりに時間は掛かっていますが)

MS170ですと2万円+税で購入可能です。「安い」けれど断然仕事能率は上がると思います。
チェンソーは、清掃・目立て(刃の研磨)・チェン交換・修理等メンテナンスが欠かせない道具です。

今後とも長いお付き合いを宜しくお願い致します。

2ストにガソリン(エンジン焼き付き)

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チェンソーにガソリンを入れて動かした為にエンジンの焼き付きを起こしてしまった機体のピストンです。当然、シリンダー部も損傷しております。

2サイクルエンジンはガソリンを入れても始動してしまうが故に、気が付くのは困難です。おそらくエンジン周りは普段と比べ物にならないくらい高温になると思われますが、気が付いた時には焼き付きを起こしている状態でしょう。エンジン内部の潤滑を行ってくれる混合燃料の重要性が分かります。

年に数回はこういったお客様がご来店されます。くれぐれも良い混合燃料を使ってあげて下さい。

この機体の場合はピストンKIT/シリンダー/ガスケットと骨組みのエンジンカバーの交換も必要でした。※もっとひどい場合はクランク部も交換が必要になります。

新品と損傷したピストンの比較画像です。

今回の機体は、共立さんの小型軽量タイプ。小型化するにあたり色々複雑に工夫して設計してあるので分解するのにもなかなか骨が折れます。(数をこなせばそうでも無いかも)

ほぼ全バラ。組立て時にもパーツリストをしっかり見ながら慎重に組み上げました。エンジンがかかった瞬間は嬉しいものです。下の写真をパット見ると部品点数が多い気もするけれど、たったこれだけの構成でよくもあんなに正確に動きますよね、エンジンって(笑)
勉強してもしてもなんだか不思議な気持ちになります。

これだけの作業、工賃もそれなりになりますので新品購入もお勧めしましたが、ご要望により修理となりました。

アフターサービスも含め頑張って対応させて頂きます。

土蜂がマフラーに悪さを

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KOSHINさんのエンジン式動噴です。

ホームセンターで購入した後殆ど使ってらっしゃらず新品同様です。
が、始動しないと。

リコイルを引いて見てなんとなく違和感、軽いしスカスカした感触。

マフラーを覗くと・・・
土蜂が悪さしてました。

マフラーの出口が完全に塞がっていますね。

出口が無いので混合気を吸う事も出来ません。当然始動しません。

この穴をマイナスドライバー等で貫通させてあげると、簡単に始動しました。
こういう現象は草刈機等にも時折ありますので、エンジンが全く掛からない時は、まずはマフラーの穴が塞がっていないか確認してみて下さい。

ついてでに他も点検。
ピカピカでしたが唯一エアクリーナがへたっていました。お客様がそのままで良いと言う事でしたので従う事に。

KOSHINさんの製品はエントリー向けとしては充分に活躍してくれると思いますが、こういう部分はもう少ししっかりした物を取り付けても良いんじゃないかなーと思ったりします。。

チェンソーの汚れ

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土木関係のお客様からお預かりする機体はかなり汚れている場合が有ります。
ハードに使用してノーメンテ。

木屑と油分が混じって酷い事になっております。
エアーフィルター部の汚れも相当です。
これでも別に問題無く動くから凄いですよね(汗)

エアーフィルターとスタータ部

下の写真は反対側。ガードバーとチェーンを取り付ける方。ここは掃除してもすぐに木屑だらけになりますが、毎回は難しくても時には清掃をしましょう。
特にエンジンフィン回りや、チェンオイル吐出部等。

この機体はかなり酷い状態でしたが、エアーコンプレッサーが有れば、ものの数分で下の様に綺麗になります。

チェーンソー整備にコンプレッサーは必需品だと感じます。

綺麗になりましたが当然掃除した後の汚れカスは大量です。。
私も木屑まみれ。

清掃が機械寿命を延ばす第一歩。
たまにはスターター部とガイドバー部を開けてチェックしてあげて下さい。

チェンソーを使う時に癖を付けて欲しい事

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チェンソーを扱う日の最初に確認して欲しい事を動画に纏めました。

慣れてくるに従い怠ってしまう安全確認。

ほんのちょっとした確認だけでも、チェンソーを扱う上での安全度は全然違ってくると思います。チェンソーを扱う時に癖を付けて頂くと良いと思います。

今回の動画にまとめたのは以下の項目です。

・目視点検(外観と操作系)
・チェーンの張り確認
・チェーンブレーキ
・アイドリング点検
・チェンオイルの吐出点検

初心者さん向けに短めに纏めました。
本来はここに 「 目立て」も入るべきですが、目立てはとても一言では語れませんので除外しました。定期点検・日常点検も別動画で作成したいと思います。

繰り返しですが、慣れが一番怖い!

チェンソーを扱う時は安全点検を行う様にしましょう。( 自分への戒めも込めて )

棚田の草刈り(ハンマーナイフモアー)

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本日の午前中はお客様の会社でお手伝い。
唐津市相知町の蕨野の棚田の草刈りです。

米を作らなくなり荒れた棚が多くなっている様です。
その棚を借りて別の事を。

まずは整備から。
こんな荒れた場所もハンマーナイフモアが有れば楽々で除草が出来ます。
この子は共立さんのHRC662というタイプです。

クローラー(キャタピラ)タイプなので、不整地でもガンガン進んでくれます。ハンマーナイフの良い所は、呼称の通りフリーナイフが草を砕いてくれる事。
刈った草をそのままにしても目立ちません。

誰がやっても刈跡が綺麗です。作業時間もそんなに差が出ません。これが手持ちの草刈機(刈払機)ですと、作業者さんの技術にかなり左右されますよね。(刈高、刈残し、作業時間等)

私一人で二つの棚が約1.5hで綺麗になりました。 刈った場所を見ると、我ながら綺麗に仕事出来たなーと悦に入ってしまいましたが

凄いのはもちろんハンマーナイフです。

機種は違いますがORECさんのハンマーナイフの動画はこちらです。

ブロワーのエンジン焼き付き

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ゼノアの背負い式エンジン式ブロワーEBZ300の修理依頼です。

リコイルスターターが引けません。誰かがガソリンを入れて使ったみたいだ、とおっしゃていまいた。複数人の作業員様が使用する現場ですと、こういう事もまれに置きます。

混合燃料を使うべきエンジンにガソリンだけを使って動かしてしまうと、エンジンが焼き付きを起こし、エンジンが駄目になってしまいます。

エンジンが焼き付いているのは確実ですが、何処までの修理が必要なのか?分解して確認する必要が有ります。
背負い式のブロワーは、エンジンに辿り着くまでも一苦労。殆ど分解してしまわなければなりません。

シリンダーとピストンが下の写真の状態で固まってしまっています。かなり酷い状態でした。分離させるのも一苦労。

ピストンとシリンダーの交換は必須ですが、幸いにもクランクシャフト回りは無事でした。部品代金と工賃のお見積りを提示。手持ち式の安いタイプのエンジンブロワーなら購入できるくらいの金額になりますのでお悩みになられましたが、修理を選ばれました。背負い式のこのクラスの機械はお高いので。

新品のシリンダーとピストンが届きました。

ピッカピカです。

エンジンを組み上げた後、外側も元通りに組み上げ。
念の為にパーツリストを見ながら使用するボルトが間違い無いかをチェックしながら作業しました。

2サイクルエンジンには混合油を使う様にしましょう。

バーディーモアの刃が動かない

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OREC社さんのBX80というバーディーテイラーにH750というハンマーナイフローターを組み合わせて使って頂いております。

このBX80は多目的ティラーです。作業機を草刈用や耕耘用や集草用等に付け替える事が可能です。(もちろん個々に購入が必要)作業機の付け替えは慣れれば比較的簡単にワンタッチで交換可能です。

取り付けているハンマーローターが動かない、という症状でのご来店。エンジンは調子良いし駆動部は問題無しだが、作業機のクラッチレバーを「入り」にしてもローターが回りません。 普通のハンマーナイフモアであれば、ベルト切れが多いのですが、本機はちょっと複雑です。

走行にはベルトで動力を伝達しておりますが、作業機は「クラッチ板 」 →「 P.T.Oジョイント(ギア) 」で伝達し更にベルト2本で回しています。

いやな予感がしましたが、クラッチ板が原因でした。

草が背丈程有る様なハードな現場でかなりの時間稼働しておりますので、相応の負荷が掛かっていたのでしょう。ベルトの点検はしておりましたが、クラッチ板の損傷の判断はなかなか難しい、と思います。

さて修理です。まずはエンジンを下ろします。

エンジンを下ろせばクラッチ板には容易に辿り着けます。ボルト一本取れば、外れます。※ベアリングが取りづらかったのでプーラーで外しました。

クラッチ板がボロボロです。

他に損傷個所が無いかよく確認し、パーツを注文。
メーカーに在庫が有れば、午後一くらいに発注すれば翌日に届く事も多いです。最近は当たり前の様に感じておりますが、普通に考えて凄い事ですよね?有り難い事です。

新品(左)と使用済み(右)。クラッチ部をアッセンブリで注文させて頂きました。

専用機で有れば、ベルトで動力を伝達する事が殆どなのですが、この機械は作業機をワンタッチで取り換え出来る様にする為に、こういう設計になっているのでしょう。消耗品と言えば消耗品ですが、購入頂いて4-5年程だと思いますので、割と早く交換時期が来たなぁという印象です。もちろんどれだけ作業機に負荷を掛けているのかで寿命は随分変わってくると思いますが。

組み上げてテスト。
問題無くハンマーナイフ部のローターが回る様になりました。

まだまだ草との闘いは続きます。