看板
クリスマス用看板
久しぶりに自店の看板を一つ作成しました。
我が家ではクリスマス的な装飾は何もやっていなかったので、何か寂しいなと感じていました。
とはえい、安物のクリスマスツリー等を飾る気もおきず、ならば看板で済ませようかと。手作り感満載では有りますが味わいがあるかなと自分では思っています。
簡単そうに見えますが、サンタの塗り分けをスプレーでやるのはけっこう手間がかかるので、途中から筆で直接塗って完成させました。近くでみるとわかるかと思います。
MERRY CHRISTMAS! の文字をゴールド色のラッカースプレーを使ってみましたが、予想以上に良い感じです。
表玄関の軒先の目立つ所に下げていますが、たまに小学生が立ち止まって見てくれます。時間をかけて作って良かったと思う瞬間です。
正月Verも考えようと思います。
ベニヤ板で看板自作
店舗の看板を自作しています。
右の写真が最近作った看板達です。べニア等の木の板にラッカースプレーで着色するやり方なので比較的簡単に作成できます。クオリティーはそれなりですが、既製品には無いテイストが出せると思います。
何よりコストを抑えられます。1800 mm × 900 mmの看板を業者に依頼すると数万(設置込で5万オーバーか?)はすると思いますが、このやり方なら1万有れば十分お釣りが来ます。
早速作成手順を。(Youtubeにも動画を上げました。リンクは→こちら)
1. デザイン 印刷 2. べニア等の板の用意 3. 板の下地処理 4. マスキング処理 5. デザイン紙を貼る 6. 切り込みを入れる 7. 不用なマスキングテープを剥がす 8. 着色 9. 取り付け
1.デザイン

「無料点検会の日」というポップを作る事にしました。デザインにはIllustratorというソフトを使っています。あまりに複雑なデザインを考えると後の処理が大変なのでシンプルなデザインにしました。
印刷する時はカラーの必要は無いので、グレースケールで印刷すればOKです。今回のサイズは600mm x 900mm という比較的大きめなサイズですが、A4サイズのプリンターしか所持していないので、A4コピー用紙9枚に分割して印刷しました。ポスター印刷という機能が有りますので各プリンターの設定に従って印刷して下さい。ちょっとしたコツが必要だと思います。
2、3.板の準備と下地処理
ホームセンターでべニアを購入。厚さやサイズにより金額は様々ですが、このサイズでも1000円前後です。900 x 600 は既成品として売ってありますし、お店によっては別料金でお好みのサイズにカットしてくれます。設置場所や設置方法に合わせてべニアの厚さは変えています。壁に貼るなら薄くてよし、2点をビス止めの場合は厚い頑丈な板をチョイスする、といった具合です。丁寧な方でしたらべニアにペーパー掛けをするのも良いでしょう。

次に下地塗装です。屋外設置の際はやっておいた方が良いです。
キシラデコールを塗りました。「キシラデコール」とは雨や紫外線から木部を保護する役目と着色を兼ねた塗料です。タンネングリーンという色が好きで多用しています。(写真右)刷毛を使い丁寧に塗ります。写真上が2度塗り、下が一度塗りです。好みの色合いに仕上げましょう。
もっと木目を生かした色(左)や、白地(中央)の下地材も有ります。この小さいサイズの塗料で三千円程とお高いです。
2度塗りした場合は乾燥に時間が掛かります。しっかり乾燥させます。

乾いたらマスキング処理に移ります。
ここから先に必要な道具です。
下地処理した板/デザインを印刷した紙/机を汚さない様に新聞等/
カッティングシート/定規/マスキングテープ/デザインナイフ/スプレー糊
使用方法は各項で説明します。

4.マスキングテープを貼る
塗装用のマスキングテープを用意します。今回の様に大きい板の場合は、マスキングテープも幅が広い物の方がやりやすいです。50mm幅を購入。今後の塗装の時には15mm幅等も有れば便利です。

マスキングテープを隙間無くしっかり貼ります。空気が入らない様に。

5.デザインした用紙を張り付ける
デザインを印刷した用紙をスプレーのりでマスキングテープの上に貼り付けます。スティックノリでも可だと思いますが、再剥離が簡単に行えるスプレーのりの方が格段に作業が捗ると思います。さっとスプレーするだけで大丈夫です。

貼り終えました。9枚を完璧にズレなく貼るのは意外と難しいです。

6.デザインに合わせ切り込みを入れる
ここで活躍するのがデザインナイフです。上二つがデザインナイフで一番下が普通のカッターナイフです。刃先が違うのが分かると思います。デザインナイフは刃の厚さがとても薄いため切り込みを入れる作業に向きます。普段は中段を、細かい箇所には上段のデザインナイフを使っています。直線を定規で切る場合はカッターナイフを使う等の使い分けをしています。デザインナイフ一本で大丈夫です。

丁寧に切り込みを入れていきます。根気有るのみです。このデザインのカットでも2時間半程かかったでしょうか。角が丸いフォントを使ったので大変でした。指が疲れます。
もっと細かい文字が大量に入った看板を作った時は1週間くらいコツコツやりました腕が死にます。

7.着色したい部分のマスキングテープを剥がす
切り込みを入れ、着色したい部分のマスキングテープを剥がします。マスキングテープを残した箇所が下地の緑が浮き上がる事になります。
切り残しが有ったりしますので、残したい部分を抑えながら丁寧に剥がします。

全部剥がし終わりました。剥がし残しが無いか良く確認します。
また、カッターナイフを入れた境目は浮いている場合が有りますので、手で押さえてしっかり密着させた方が仕上がりが良くなると思います。浮いているとこの後の塗装処理で、隙間にインクが入り”にじみ”が出る場合が有ります。

どうでしょうか。良く切り抜けている様に見えますが、直線部も殆ど定規は使わず刃を入れたので微妙に歪んでいますね。手切り感満載ですが、手作りの味が出て良いのではないかと割り切っています。
8.着色

ここからはいよいよ着色です。
デザイン通り「今日は」の部分は黄色に「無料点検会」は蛍光オレンジに、その他の部分は白で塗る事にしました。塗り方は自由ですが、私は明度が高い順に塗る事が多いです。
今回は下地が深い緑色なので、オレンジや黄色等の隠ぺい率が低い色はかなり厚塗り(重ね塗り)する必要が有ります。その為に下地として薄く白色を塗りました。白を塗っておく事で黄色やオレンジの発色も良くなる、気がします。

白色で塗る箇所をしっかりスプレーしていきます。
キャラクターの部分は「アイボリー」を吹いてみました。塗っている最中に色を変更する事は良く有ります。気分次第。

白を塗った箇所の表面が乾いたら、次に黄色を塗ります。
今度は塗りたい部分以外を保護します。新聞でOKです。この時、先ほど塗った白が乾いていないと、新聞がべったりと張り付いてしまい悲惨な事になります。
塗り作業をキレイに仕上げるコツはしっかり乾かして次の工程に移る事に尽きます。
この黄色は塗って乾かすを3回繰り返しました。焦ると失敗します。

黄色の表面が乾いたら、最後にオレンジ部分です。塗りたい部分以外を新聞で覆います。
これくらい薄く吹いてから乾かす、を繰り返します。このオレンジは蛍光オレンジという塗料を使ったので更に念入りに4回くらい繰り返しています。

全部塗り終わりましたので新聞を取ります。
次は、マスキングテープを剥がす作業ですが、ここでは塗料の表面だけでは無く、完全に乾くのを待ちましょう。厚塗りしている為、被膜がしっかり固まっていないと、境界線が汚くなる事が有ります。


乾いたのでマスキングテープを剥がして行きます。今迄の作業の結果がハッキリ出る瞬間です。塗料がしっかり乾いていれば、細かい事を気にせずガシガシ剥がして大丈夫です。
自分のイメージ通りに文字や絵がくっきり浮かび上がってくると嬉しいですね。
全部マスキングテープを剥がした完成品がこちら。如何でしょうか?PCでデザインした特より発色良い気がします。
緑のベースには、黄色と白の配色が良く合うと思います。もっとカラフルにする事が出来ますが、2~3色くらいが落ち着いて良いと思います。

良く出来ているように見えますが、近寄ればこのクオリティーです。完全に乾いていなかったのか境界線部分がかなり荒いです。器用で丁寧な作業をされる方ならもっと綺麗に仕上がると思います。

作業時間:塗り作業に時間が掛かるので6h近く掛かっているかもしれません。 材料費:スプレーとキシラデコールの計算が難しいので厳密には出せませんが、道具さえ持っていれば3~4千円程です。
私はこの看板作成が好きなので何枚も作っていますが、時間が勿体ない、クオリティ重視、耐久性も必要という方はプロに頼む事をお勧めします。
アイデアとやる気で色々な看板が出来ます。縦長のメーカーのロゴが入った看板は試行錯誤しながら塗り分けを頑張りました。一見自作とは分からないのでは?完成するととても嬉しいです。
TouTubeに動画も作ってみました。 2019/11/29 追記