ブロワー
ブロワーのエンジン焼き付き
ゼノアの背負い式エンジン式ブロワーEBZ300の修理依頼です。

リコイルスターターが引けません。誰かがガソリンを入れて使ったみたいだ、とおっしゃていまいた。複数人の作業員様が使用する現場ですと、こういう事もまれに置きます。
混合燃料を使うべきエンジンにガソリンだけを使って動かしてしまうと、エンジンが焼き付きを起こし、エンジンが駄目になってしまいます。
エンジンが焼き付いているのは確実ですが、何処までの修理が必要なのか?分解して確認する必要が有ります。
背負い式のブロワーは、エンジンに辿り着くまでも一苦労。殆ど分解してしまわなければなりません。

シリンダーとピストンが下の写真の状態で固まってしまっています。かなり酷い状態でした。分離させるのも一苦労。

ピストンとシリンダーの交換は必須ですが、幸いにもクランクシャフト回りは無事でした。部品代金と工賃のお見積りを提示。手持ち式の安いタイプのエンジンブロワーなら購入できるくらいの金額になりますのでお悩みになられましたが、修理を選ばれました。背負い式のこのクラスの機械はお高いので。
新品のシリンダーとピストンが届きました。

ピッカピカです。

エンジンを組み上げた後、外側も元通りに組み上げ。
念の為にパーツリストを見ながら使用するボルトが間違い無いかをチェックしながら作業しました。

2サイクルエンジンには混合油を使う様にしましょう。
背負い式ブロワーEB590修理
新ダイワさんの排気量58ccの背負い式タイプです。重たいですが、背負いタイプでクルーズコントロールも付いているので長時間の作業も比較適楽に行える優れものです。調子が悪いとの事で修理のご依頼を頂きました。

実際に症状を確認してみます。スムーズに始動しアクセルを開けても気持ちよく吹け上がってくれました。んっ?何が調子悪いだ?と思いながら数分使っているとパワーダウン。アクセルを開けてもエンジンの回転数が不安定で吹け上がらなくなりました。エンジン停止させ再始動させると、エンジンは掛かりますがやはり出力が上がりません。
どこがボトルネックなのかいくつか予想しながらも、基本的なところからチェックしていきます。
プラグ→エアフィルター→燃料フィルターと見ていきます。
大型の機械なのでしっかりとしたエアフィルターが付いていますね。大型機械なので大変そうに見えますが、各構成部品の取り外しが容易な事が多く、メンテナンス性は良いです。

燃料フィルター(写真下)が、かなり汚れていました。左が古い物、右が新品です。これでもコンプレッサーで汚れを落とした後の状態です。吸い込み口から吸ってみると強く詰まっている感じがしたので新品と交換しました。

エアーフィルターの清掃と燃料フィルターの交換を行った状態で5分程稼働させてみると先ほどの不具合は出なくなりました。やはり燃料フィルターが目詰まりを起こしたせいで、必要な量の燃料がキャブレターへ供給出来なかった事が、出力不足の原因だった様です。
念の為にキャブレターをチェックしてみました。


内部の汚れ具合や、ポンプダイヤフラムもメタリングダイヤフラムも問題なさそうなのでそっととじました(笑)いえ、これ以上メンテナンスをするとキャブレター分解洗浄代としてそれなりの修理代を頂く事になりますので。。
今回は「燃料フィルター交換」と「点検」という修理内容になります。
今回の様に原因が直ぐに特定できて、調子が良くなってくれると良いのですが。
トラブルシューティングにかなりの時間を要する事も多く日々修行中です。