スチール
スチールMS170 燃料ホース交換
スチール社のエンジンチェンソーMS170Cの修理依頼です。
24,800円(税別)という格安価格ながらお値段以上の働きをしてくれる機体だと思います。排気量も30ccありますので多少の作業ならパワフルにこなしてくれます。
症状は、一年以上使用していなかったら始動しなくなったとの事です。
チョークをした状態で何度スタートロープを引いてもプラグが濡れませんでしたので燃料系統のトラブルだと判断。一時お預かりする事にしました。

燃料フィルターは問題なかったので、キャブレターのトラブルだと判断しオーバーホールに移ります。
スチール社のキャブレター周りは、チョークの仕組みが独特な事もあってスイッチ類の取り外しが他社さんとはやや異なります。慣れないとキャブの取り外しが面倒に感じるかもしれません。下手にやると部品を痛める恐れがあるので強引に扱うのは止めましょう。

キャブレターを分解しましたが、予想はハズれ特に問題となる部分が見つかりませんでした。キャブレターコンディショナーで洗浄後に再度組み立て、始動を試みますが、起きる気配が有りません。

キャブレターへ燃料が届いている気配がなかったので、燃料ホースを取り外してチェックすると、かなり痛んでおりました。亀裂が幾つも入りエアーを吸っている状態です。燃料を吸い上げないハズですね。

燃料ホースを新品(緑)と交換します。MS170専用の燃料ホースです。厚手の燃料ホースなので、亀裂が入っても外からの目視では発見し難いです。燃料も漏れないし。取り外して引っ張ってようやく分かりました。

燃料ホースの交換作業はホースを傷めないように慎重にやる必要が有ります。
交換したら一発で始動する様になりました。燃料ホースは消耗品です。
トラブルシューティングのスキルの向上に努めます。
STIHL チェンソー 088
お電話にて、今からスチールの088という機種を持って行きたいけど見て頂けますか?とのご依頼。
期待が古く大型機種ですので、「その場で出来る事は限りが有りますが診ます!」とお返事すると30分位で来店して頂けました。
下の写真がSTIHL社製のエンジンチェンー088
山で伐倒した後にその場で製材をやっていたが、アクセルを吹かすと停止する様になったとの事でした。
エンジンは121㎤で、機体は10kg近くの重量が有る大型機種です。
以前084という機体を修理した事は有るのですが、この機体は初めて。
お急ぎでしたので、簡易点検から。
エアーフィルターをチェックし、その後に燃料フィルターをチェックすると、酷い詰まり具合でした。燃料フィルターを吸っても全く吸い込めません。
燃料タンク内を清掃し、燃料フィルターを交換して、再始動してアクセルを吹かして頂いたら、さっきまでとは全然違う!との声。
すぐにお持ち帰りたいとの事でしたので、今回はここ迄のチェックで終わりました。
現場でバリバリ活躍してくれていればよいのですが。というかこの機体がどういう風に使われているのか、現場を見学してみたい気持ちで一杯です(笑)
緊急対応も出来る限りお応え致しますのでご相談下さい。※パーツ交換が必要な場合、在庫が無ければ取り寄せが必要になります。
もちろんスチール社だけではなく、ハスクバーナ/KIORITZ/ゼノア/新ダイワ/やまびこ/ECHO/リョービ/日立/マキタ などなど、各メーカーの機体も承っております!
草刈機のパワー不足(エンジン内部の傷)
背負い式の草刈機も修理のご依頼を多数頂きます。
お客様は「回転数が安定しない/アクセルオフにするとエンジンが停止する」と言う事をおっしゃっていました。
始動させてみます。リコイルスターターを引っ張った感じで手応えが弱いと感じましたが、エンジンは掛かりました。が、高回転域も弱いですし、低回転にするとストンとエンジンが停止してしまいます。
プラグ→エアーフィルター→燃料フィルター→燃料ホースをチェックしましたが異常が無かったのでマフラーを取り外して見ました。マフラー自体や排気口は問題が有る程カーボン付着はありませんでした。排気口からピストンを見ると、排気側(マフラーが付いている方)に目立った傷は確認できませんでしたが、ピストンを下死点に動かすと、吸気側(キャブレターが付いている方)のシリンダー内部に傷が見えました。
シリンダーを取り外し内部のチェックをする事にしました。
ビス4本を外し(六角レンチを一本折ってしまう程一本固結していました涙)シリンダー取り外します。
シリンダを取り外すと下の様にピストンが剥き出しになります。下の写真はピストンの排気側を映しています。黒く変色はしていますが、目立った傷は入って居ません。
逆の吸気側を見ると、写真の様に縦の傷が無数に入っています。手で触るとボコボコした感じも分かります。
シリンダー内部も吸気側と排気側では違いがはっきり分かります。
写真左の吸気側は傷だらけです。
おそらくエンジンの焼き付きというよりはエアーフィルターが付いていない状態で暫く使った為に、キャブレター側から異物が混入してしまった結果では無いかな、と思います。
運ばれて来る古い機械にはエアーフィルターが付いていなかったり、フィルターがボロボロに崩れていたりする事も珍しくありません。エアーフィルターはとても大切ですので定期的に確認・清掃をお願いします。
ここ迄傷が酷いと、ピストンとシリンダーの交換が必要になります。
この機種のピストンKITが約5,000-、シリンダーが約10,000-と部品代だけで15,000-も掛かってしまいます。工賃を含めたお見積りを打診し、「そろそろ買い替え時期だと思います」との私見をお伝えした所、KIORITZのRME2630をご購入頂きました。快くご購入頂きありがとうございました。
エンジンの焼き付きでも同じような傷が入ってしまいます。
エンジンの空冷が機能するようにエンジン回りを清掃する、メーカー推奨の2サイクル用エンジンオイルを使用する、空ぶかしを長時間しない、長時間の連続使用後は暫くアイドリング状態にし温度を下げてからエンジンを停止する、等に気を付けていただければ焼き付きが発生する可能性はグンと下がると思います。
ご購入後に取扱説明書を熟読される方は少ないと思うのですが、大事な事がたくさん書いて有ることに気が付きます。安全と機械寿命を延ばす為の知識を持って使用しましょう。
※本来は機械を購入頂く際に販売店がしっかり説明する必要があるのですが、なかなか聞いて頂けなかったり、一度の説明では理解いただけ無い事が殆どです。。
メカニック講習会参加(二日目)
本日もスチール社のメカニック講習会(二日目)に参加してきました。
昨日分解したチェンソーの組立て、ソーチェンの目立て講習と、実際の丸太を切る作業、安全講習、座学、テスト、と盛りだくさんでした。
チェンソー組立てを行う際にはちょっとした便利なアイテムや方法の紹介等がありました。エンジンも分解したので、再組立て後にちゃんとエンジン内部の気密が保たれているかを専用工具を使ってチェックも行いました。
技術サービス部門の方のお話は理論的で具体例も多く紹介頂き、大変分かりやすかったです。体で覚えた事に知識の上積みが出来ましたし、お客様に説明する時の知識や言葉の引き出しが増えました。
組立てた機械が正常に始動し、丸太をスパッと切断出来た時は嬉しいものです。
今後も出来るだけ技術講習会には参加し、新しい知識と技術の習得に努めたいと思います。
ちなみにテストは一問だけ簡単な問題を間違えてしまいました(涙)
メカニック講習会参加(一日目)
スチール社主催の販売店向けメカニック講習会に参加して来ました。
本日は一日目。
内容としては、チェンソー全体の仕組みから内燃機関やキャブレターの仕組みの勉強(座学)と実機を分解する実習でした。
この半年でチェンソーの修理はやってきていますので、体では分かっている事も多かったのですが、専門のエンジニアさんから理論的なお話を沢山聞けて理解が深まりました。工具の正しい使い方や、便利なツールの紹介も大変為になりました。
チェンソーの分解って楽しいですよ。
明日は二日目。分解したものを組み立てる実習や、目立てにテストも有ります。
しっかり技術の習得をして、お客様からお預かりした大切な機械のメンテナンスに活かしたいと思います。
ダイヤフラム式キャブレターの勉強
こんばんは、修行中の息子です。
このところダイヤフラム式キャブレターの分解洗浄を繰り返し行っております。構造はだいぶ分かっては来たのですが、とにかく体に覚えこませたいので、数をこなすしかありません。
キャブレター分解手順 ① キャブレターを本体から取り外す ② キャブレターを分解する ③ 各穴にキャブクリナーを吹き付け、清掃しながら目詰まりしていないか確認する ④ コンプレッサーでクリナー液や汚れを吹き飛ばし、各穴も綺麗にする ⑤ キャブレターの再組立て ⑥ 本体へキャブレターを取り付ける。(燃料ホースやアクセル・チョークロッドも) ⑦ 始動テスト ⑧ 低速ノズル/高速ノズル/アイドルを調整(高速ノズルが無い機種も有る) という流れです。 ※ダイヤフラム式キャブレターとは、本体を逆さまにしたりしても使用出来る様に考えられたキャブレターです。耕運機等、水平にして使う機会にはフロート式のキャブレターが使われます。
本日お預かりしたチェンソーです。
慣れていない機種によっては①でも意外とてこずってしまいます。コンパクトな機種等は複雑に入り組んでいますからね。アクセルロッドを外すのさえ苦戦したりします。不器用ですから。燃料ホースは破かない様に引き抜きます。
各部の関係をしっかり記憶するなり写真に撮っておく事も重要です。
②のキャブレター分解は、ネジ山を潰さない事とスプリングやニードルバルブ等の細かい部品を無くさない事に細心の注意が必要です。
③のキャブクリナー液を穴に吹き付ける事で、何処の穴と何処の穴が通っているのかが良く分かる様になってきます。私は実技をやった後にネット(このサイトが一番詳しいと思います)やテキストを見て名称を覚えられる様に頑張っています。穴がたくさんあって難解ですね(´;ω;`)ウッ…
キャブレターの心臓部です。写真下の本体部の一か所が目詰まりしていた為にエンジンが始動しませんでした。
⑤再組立てはキチンと元通りに組みます。当たり前の話ですが大変重要です(汗)
⑧の各調整ネジの取り扱いは多少経験が必要です。ここは大事なところなので技術を持った方の指導を受けるか見てやり方を覚える方が良いでしょう。(アイドリングの調整ネジは問題無いと思います。)高速ノズルは閉め過ぎる(時計回し)と回転が上がり過ぎてエンジンが焼き付く恐れも有ります。
細かいパーツで構成されている部品だけに、最初は恐る恐るでしたが、慣れてくると分解するのがとても楽しくなってきます。問題点を発見し改善した後にエンジンが掛かった瞬間はとても嬉しいものです。
草刈機大活躍の季節からチェンソーの季節に移ってきました。
チェンソーでお困りの方、ぜひご相談下さいませ!
ナイロンコードの草刈機
先ほど消費者庁より、「刈払機(草刈機)の使用中の事故にご注意ください!」という注意・喚起が発表されました。草刈機での事故が多い事、草刈機を扱う際の注意事項等が書かれています。詳細はリンク先に記載されておりますので、一読いただければと思います。
この中でキックバックの心配が少ないナイロンコード式の草刈機が推奨されていました。
草刈機のカッティングアタッチメントは8枚刃やチップソー等が主流ですが、ナイロンコードカッターも大変便利な商品です。このナイロンコード、草刈機を普段から良く使ってらっしゃるお客様でも品自体をご存知なかったり、チップソーや8枚場じゃないと切れないだろう、という思い込みから商品選択から除外されている方も多いです。ファンも多い商品なのですが(;^ω^)
という事で、ちょっとだけナイロンコード製品の紹介を。
右の写真はスチール社製のFS55 C-Eという商品です。27.2ccという大き目の排気量のエンジンを搭載しハイパワーなのにお求めやすい価格になっています。ナイロンコードヘッドを標準装備しています。
ナイロンコードの一番の利点は、障害物が多い所での作業でも安全という点でしょう。
先に記したように、障害物にあたってもキックバックの心配は殆どありませんし「除草」という点で考えれば、十分なカッティング能力があります。
8枚刃やチップソーはちょっとした障害物や硬い枝等を切っていれば直ぐ刃が丸くなります。対してナイロンコードは作業を行うにしたがいナイロンコードが短くなっていきますが簡単操作でコードが伸びます(※ナイロンヘッドの中のコードが無くなれば補充の必要有り)
このFS55に採用されているナイロンヘッドは、コードの補充がとても簡単です。
①目盛りを合わせる ②新しいナイロンコードを押し込む ③回す工具いらずで、実際やってみても驚く簡単さです!
この製品が22、800(税別)です。
大変お買い得な商品だと思います♪
チップソーを装着した草刈機を既に持っていてるが、ナイロンコードも使用したい。でもアタッチメントだけを新規購入して都度、刃とナイロンをセットしなおしながら使うのは面倒!という事でナイロンコード専用のセカンドマシンとして本機を購入して頂けるお客様もいらっしゃいます。
石や障害物が多い場所でも比較的安心して作業が出来るナイロンコード。実際の刃にも良い点がありますし、ナイロンコードも素晴らしい利点が有ります。これはお客様自身に使って頂き知って頂く事が一番。
ナイロンコードタイプのデモ機もご用意しておりますので、ナイロンコードの使い勝手や切れ味を体感されたい方は、ぜひ当店へ遊びにいらして下さい!