製品説明
MS170/MS170-CEのエンジンの掛け方
スチール社のエンジンチェンソーの起動方法を説明したいと思います。
今回はMS170の機体を使ってご説明します。機種によってはこの形状と若干事なる場合も有りますが、一番の基本はこの機体だと思います。
何故わざわざこんな記事を書くのかといいますと、他のメーカーさんのエンジンチェンソーは電源スイッチとチョークレバーは別に付いているのが殆どなのですが、スチール社のチェンソーは電源スイッチとチョークが同じコントロールレバーで操作する様に設計されているからです。
初めてスチール社の製品を使うと戸惑う方もいらっしゃいます。
ですが、やりたい事(エンジンが冷えた状態の)は他のエンジン製品と全く同じ。
①チョークを引いた状態にする。
②初爆音が聞こえる迄スタータロープを引く
③チョークを解除する
④エンジンが始動する迄スターターロープを引く
という事ですが、操作がやや違いますので最初からご説明します。
下の写真の黄色枠内のレバーが「マスターコントロールレバー」と呼ばれるもので、電源スイッチもチョークもこのレバーひとつで操作が可能です。
上から1段目が停止(電源OFF)状態、2段目が運転の時の状態、3段目が初爆後に始動させる時に使う状態、4段目がチョークを引いている状態です。
いかがでしょうか。ひとつの操作系でコントロール出来ますので、慣れればとても楽でシンプルに感じます。とても良い機構です。
ですが、初めてこの機体を使われる方は戸惑われると思います。
2段目へはレバーをカチッと下に押せば良いのですが、4段目の冷機始動(チョークを引いた状態)のポジションへレバーを動かすには、下記の様な手順が必要です。
①手の平と人差し指を使ってロックアウトとスロットルトリガーを一緒に手で握る
②握ったままの状態でコントロールレバーを下に押すと4段目へセットできる。スロットルトリガーとロックアウトを同時に握りながらでは無いと4段目へはおりません。が、無理やり力づくで4段目へ動かしてしまう方も居ます。だいたいコントロールレバーが壊れて修理に運ばれてきます。くれぐれも無理やり操作しないで頂きたいと思います。
4段目の位置へコントロールレバー移動しチョークが効いた状態になりましたので、スターターロープを引きます。
この時にいきなり力任せに引かず、最初はゆっくりと引いて下さい。写真の位置くらいまでスッと引けると思います。このあたりで負荷を感じたら、そこから一気にロープを引きます。
スタートロープを数回引くと、エンジンがブルっと音を立てます。これを初爆と言います。この音を聞き逃さないでください。初爆が聞こえたら、チョークを解除します。
4段目から3段目へ1つレバーを上げます。これはスロットル等は握らずに上がります。
これでチョークを解除しましたので、スタータロープを引きエンジンを掛けます。
この3段目が何なのか良く分からないと言われるお客様が結構いらっしゃいます。
先ほどチョークを解除出来たと書きましたが、実はこの3段目は半分程チョークが効いている状態なのです。つまりエンジンの始動をスムーズに行う様にする為の3段目です。が、3段目の状態でエンジンを掛けると、エンジンが勢いよく吹け上がることになります。刃も回転します。起動時にはチェンブレーキを掛ける様にとマニュアルに明記されております。
さて3段目の位置でエンジンが掛かりました、エンジンは高回転状態です。最初はちょっとびっくりするかも知れません。が慌てずにスロットルトリガーをひと握りしましょう。
そうすると自動的にコントロールレバーが3段目から通常モードの2段目へと移動してくれます。スロットルトリガーを離せばアイドリング状態になり刃が止ります。
この2段目が作業時に使用する位置です。
電源をOFFにする時は1段目へレバーを動かしてください。
以上がエンジンが完全に冷えている状態からの起動方法です。
エンジンが温まった状態でエンジンを再始動する時は、コントロールレバーは2段目にセットした状態でスターターロープを引いて下さい。ここ大事です。
温まった状態なのに4段目に合わせてスターターロープを引くと、燃料を吸い込み過ぎてスパークプラグが濡れてしまい起動しなくなります。かぶるという状態です。(暫く放置して乾くのを待てばまた掛かります)
連続して作業を行う時は、2段目しか使いません。
スタートスイッチの説明だけでとても長くなってしまいました。
対面で販売する際には繰り返し説明するのですが、買って暫く使う機械が無くいざ使おうとした時に、この操作系が分からず、起動しない!とおっしゃるお客様がちらほらいらっしゃるのも事実です。マニュアルにも明記してありますが、私なりに分かりやすくお伝えしようと記事を書いてみましたが、ゴチャゴチャし過ぎました💦
見て頂くの一番なので別途動画も作ってみようと思います。
纏めます。
エンジンが冷えた状態での起動 ①ロックアウトとスロットルトリガーを同時に握る ②握ったままコントロールレバーを4段目へセットする ③初爆が聞こえる迄スターターロープを引く ④初爆が聞こえたらコントロールレバーを4段目から3段目へ上げる ⑤始動する迄スターターロープを引く ⑥スロットルトリガーを握る→自動的に通常位置へ移動する 連続作業中の起動 ①コントロールレバーを2段目へセットする ②スターターロープを引く ③スロットルトリガーを握り作業をする
他製品も当然ですが、チョークを使いすぎると直ぐにかぶったという状態になりエンジンが掛からなくなりますので、ご注意ください。
マスターコントロールレバーについて追記 ●4段目へセットする時は、最初にロックアウトとスロットルトリガーを握る事 ●上から下へ下す過程では3段目のポジションには入らない(4から3へ上げる時のみ) ●4段目の状態ではスロットルトリガーは握れない(無理に握りこまない事) ●3段目の状態でスロットルトリガーを握ると自動的に2段目へ移行する ●力づくで操作するべからず
以上です。なんだか難しい記事になりましたが、慣れればとても簡単で便利だと感じて頂けるハズですので、最初だけ慎重にマニュアルや当記事を読んでマスターして下さいませ!
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