刈払機

草刈機が微妙に調子悪い(シリンダー・ピストンに傷)

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6月に入ってから草刈機が微妙に調子悪いという理由でご来店される事が増えてきました。微妙にも色々有りますが

・低速時にたまにエンジンが停止する
・再始動する時に何度もリコイルを引かなくてはならない

という現象の機体をご紹介します。
共立のRME262という背負式の機体です。
大変人気の機種で、建設・土木業者様によくご購入頂いております。

「微妙に調子悪い 」 という症状が一番厄介だと感じます。
そもそもお客様がおっしゃる症状を確認する事から時間が掛かったりします。
原因の切り分けをしていくのも骨が折れる事が多いです。

「全くエンジンが掛からない 」 という症状で有れば原因を特定するのは対して時間はかかりません。さくさく進みます。

今回お預かりした機体は、草刈り作業自体は普通に行えます。が、暫く使った後にアクセルオフにすると、ストンと落ちる事がたまにあります。たまにです。
再始動するのも大体は直ぐかかりますが、たまにもたつきます。たまにです。

エアーフィルター、燃料フィルター、燃料ホースとチェックして行きキャブレターも分解して確認しますが、どれも目視での異常は有りません。キャブを分解洗浄しセッティングしても症状は変わらず。(症状確認にまた時間を要します)

マフラーを取り外し、排気口を確認してみると、ピストンにやや違和感を感じたので、シリンダーを外してみました・・・

いかがでしょうか、かなり酷い縦キズが入っていました。
これは吸気側(キャブレターが取り付けられている方)です。

別のアングルから。傷の深さが分かると思います。
吸気側から異物が入り込んだ事が原因でしょう。

シリンダーにも当然傷が入っています。

下の写真は排気(マフラー)側です。違和感を感じたこちら側はさほどでもありませんでした💦

このピストンとシリンダーの傷のせいで、低速時の不調が起きていたのですね。
シリンダーを開けてみれば一目瞭然ですが、なかなか外からは分かりません。プラグ穴から圧縮圧力を測定する方法も有るのですが、さほど低い値は出ませんでした。

これだけピストンとシリンダーに傷が入っていて、良く動きますよね。
パワーを上げている時はピストン運動を行えますが、パワーを落とすとシリンダーとピストンの間の摩擦でエンジンが落ちてしまう様です(たまに)。圧漏れも有ったと思います。

摩擦も大きいのでエンジン内の温度も高めだったでしょう。このまま使っていれば、エンジンの焼き付きに繋がったと思います。

修理するには、シリンダー(約10,000)とピストンKIT(約5,000)の交換が必要になります。工賃を含めると20,000円は確実に超えます。
新品は6万ちょっとしますので、お客様の判断に委ね、返答をお待ちしております。

今回の様に症状は微妙でも、内部が甚大なダメージを受けている場合が有ります。機械の清掃、特にエアクリーナー周辺は正しい方法で毎回清掃して頂きたいと思います。

草刈機が微妙に調子悪い、別の症例を後日紹介したいと思います。

草刈機のリコイルスターターが引けない!(ピストン上部とシリンダ上部にカーボンが溜まっていた)

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共立の背負い式草刈機、RME260Aという機体です。
スタータロープが引けない!という症状でお持ち頂きました。だいぶ古い機械だけに、動く様になるか心配されていました。

診断開始。確かにリコイルが引けません。
が、リコイルスターターを本体から取り外してチェックしてみると、リコイルスターター部は大丈夫でした。プラグを外して、スタータープーリーを手で回してみると、途中迄は動きますが、ピストンが上死点付近に行くと、それ以上回りません。スタータ部の問題ではなく、エンジン内部の問題でした。

この時点で考えられるのは、コンロッド付近の損傷、ピストン上部のカーボンだまりでしょうか。ピストンが焼き付いているのであれば全く動きませんし、「がたつき」 は感じられないので、ピストンヘッドに異物が付着して圧縮が高すぎるのか、酷い場合はピストンとシリンダーの間に隙間が無くなっている可能性が考えられます。

シリンダーを取り外します。

すると、予想通りでした。
ピストンヘッドにかなりのカーボン等の異物が付着しています。

横から見た図。かなりの厚みの汚れがこびり付いているのが分かります。
ピストンはシリンダー内で上下運動をしていますが、この異物のせいで隙間が無くなり、ピストンが一番上に上がった時にシリンダーと干渉していたのです。
ピストン運動の邪魔をしていたのですね。

シリンダの上部にも異物の固着が激しいです。

キャブレターコンディショナーを吹き付け暫く放置してから、丁寧に異物を取り除きました。ピストンの上部は予想より簡単に剥がれました。作業途中の写真。綺麗になった時の写真を撮り忘れましまいました。残念。

それに対してシリンダ内部の上部(プラグが取り付けられている裏側)の異物除去は大変でした。

ピストンもシリンダも、側面に傷が付くのはダメージが大きいです。圧縮漏れを起こしてしまいアイドリングが安定しなかったり、パワー不足等に繋がります。たいして、今回掃除したピストンの上面やシリンダ内部の上部はほんの少しの傷ぐらいなら、大きな不調につながる事は少ないと思います。

清掃後のシリンダー内部。隅にこびり付いたカーボンを落とす際には、側面を傷つけない様に慎重に作業する必要が有ります。

排気ポートも汚れが付着したのでこれも丁寧に除去。清掃後はシリンダー内部やピストン、コンロッド付近に数滴エンジンオイルを垂らして組み上げました。するとリコイルスターターはスムーズに引け、すんなり始動し気持ちよく吹け上がってくれました。

ピストンとシリンダーの側面に焼き付いた後は見られなかったので、大丈夫だとは思っていましたが、こんなに調子よく動いてくれると嬉しいものです。
アイドリング時の回転数も安定しています。

さて、なぜこんなにも汚れがこびり付いてしまっていたのでしょうか?
混合燃料の問題が大きいと思います。他にはエアクリーナー部の清掃を怠りゴミがエンジン内部へ入ってしまった、等も考えられると思います。使用環境も見てみないとなんとも言えません。

お客様に聞いたところ、混合燃料はご自分で1:25で作成しているとの事でした。どういったエンジンオイルを使ってらっしゃるかは分かりませんでした。
良いエンジンオイルを使い1:50の混合比(エンジンオイル1でガソリン50です)で使われた方が良いですよと、アドバイスはしました。

修理工賃としてはそれなりの料金を頂く事になりましたが、正常に動く様になりお客様には大変喜んで頂きました。古い機種ですがまだまだ活躍してくれそうです。

マキタEM227刈払機修理

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チラシを見て修理の持ち込みにご来店頂きました。
マキタの草刈り機の中でもとてもメンテナンスしやすいシンプルな機体だと思います。
症状は、エンジンの回転数が不安定との事です。


始動テスト。リコイルスターターを引っ張ると、マフラーから油が噴き出てきました。

これは、キャブレターがオーバーフローし混合燃料がシリンダー内へ流入しマフラー迄溢れ出たのだと推測。
燃料フィルターの点検後に、キャブレターを分解し点検します。

キャブを取り外し分解すると、直ぐにメタリングダイヤフラムというゴムで出来たパーツ ( 下の写真の右から2番目のパーツ)が劣化(硬化)しているのが分かりました。

下のパーツがメタリングダイヤフラムというパーツです。
このゴムで出来たパーツがしなやかに動かないと燃料の供給がスムーズに行われません。今回の機体に付いていたメタリングダイヤフラムの硬化具合はかなり酷い状態でした。手で押すとパキンパキンなレベル。ゴムというよりプラスチックに近い状態です。写真で見ると新品と比較し中央部が盛り上がっているの分かると思います。これですと燃料の供給を調節するバルブが常時押しっぱなしになるので、オーバーフローする事になります。

ここまで劣化していたので、キャブレター内部に使われているゴムのパーツは全て取り換えさせて頂くことにしました。下写真の上段4ケが新品です。
これらを交換し、内部を清掃して組み上げたら問題無くエンジンが動く様になりました。※キャブレターの詳しい説明はいずれ動画にしたいと思います。

エンジンは調子良くなりましたが、マフラーから油が噴出していた事が気になったので、念の為にマフラーと排気口の点検もしておきます。
カバーが独特ですね。縦に真っ二つに分かれる仕組み。
慣れると分解しやすいです。

確認すると排気口はとても綺麗でした。年式は古いと思いますが、稼働時間は少な目なのかもしれません。マフラーも問題ありませんでした。良かった。

組み上げて、主要ネジの増し締めを行い、再度動作チェック。
エンジン回転数をチェックします。
アイドリング時は2800~3000/毎分、に調整します。
アクセル全開時で9500/毎分、程回りますので十分です。

アクセルワイヤー系の調整と、最後にギアケース部にグリスを注入し整備・点検終了です。

今回お預かりした機械は、とても綺麗にお手入れされており、気持ち良く整備させて頂きました。交換したダイヤフラム類以外は健康体そのもの。こんなふうに扱って頂くと機械も長持ちするでしょうね。

これから草刈り機が多く運ばれて来る季節に入ります。
技術向上に努め、良いサービスをご提供出来るように取り組んでまいります。